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『これからの住宅設計』(ID:0000230971) 読者登録解除フォーム
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■ メールマガジン
・・・・・・・バックナンバー第019号

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  ・・・これからの住宅設計・・・      第019号(2007.08.16)

   建築設計者の立場から住宅を考えるヒントを提供します。
                published by commonplace studio
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「これからの住宅設計」は戸建住宅や集合住宅(マンション)またそれらの改
修等、生活空間を作ること全般を題材にして、設計者の視点から住宅の在り方
を、読者の方々と一緒に考えてゆくメールマガジンです。

建築設計、住宅設計に関わる話題を取り上げ、住宅設計者としての経験や理念
をお話することにより、家創りについて違った視線で考える機会を提供するこ
とを目指しています。

読者の方々が住宅を設計する過程に触れることにより、家創りについて何か新
しいことを発見していただければ幸いです。



                        コモンプレイス スタジオ
                          代表  池澤 雅弘


※バックナンバーは下記ホームページでも御覧いただけます。
 誤字等も含めて、記事の訂正が必要な場合は、ホームページ上で修正させて
 いただいています。

                      http://www.commonplace.jp/


■目次

 01 今週のコラム--------------「進化するトイレ」
 02 住宅設計入門--------------No.19 インテリアデザインの力
 03 マンションの完成まで------No.19 工事監理-仕上工事(住戸部分)
 04 師の言葉------------------心に残った建築に関わる言葉 



///// 01 今週のコラム //////


「進化するトイレ」

最近タンクレスタイプのトイレが普及しています。以前から事務所などではフ
ラッシュバルブを用いるタンクの無いトイレがありますが、水圧を高くする必
要があり一般家庭では使用できませんでした。最近渦巻き洗浄方式を利用する
ことにより、少ない水量で洗浄が出来るようにになりタンクを無くすことが可
能になりました。タンクレストイレは大きさがコンパクトになる上、清掃もし
易くなりデザインも優れています。また6割程度の節水効果があることも注目
させられます。

以下、各社で発表されているタンクレストイレの特徴を紹介させていただきま
す。色々な機能がありますが、品番によって機能が違うのでご注意ください。
詳しくは下記ホームページを御覧ください。

松下電工の「アラウーノ」は全自動お掃除トイレとして最近急激に人気が高ま
っています。陶器の代わりに有機硝子系の新素材を採用し、さらに洗剤を含む
水を渦巻き状に流す洗浄方式により、通常なら週2・3回程度必要だったブラシ
掃除を3ヶ月に1回程度で済ませることが出来るということです。

TOTO史上最高傑作というキャッチフレーズで広告されている、TOTO「ネオレス
ト」は約65パーセントの節水効果を可能にした最新タイプ、ハイブリットシリ
ーズAHタイプを発表しました。こちらは陶器を使用していますが、セフィオン
テクトというツルツルの表面加工を採用していて、汚れが付きにくく落としや
すい便器になっています。またウォシュレットのノズルを自動洗浄する機能も
付いています。

INAXのタンクレストイレ「サティス」は機能部分がリフトアップされ、便器と
の隙間部分の清掃が簡単に出来るようになっています。また除菌イオン効果で
臭いやカビの発生を抑える機能を用意しています。

以前タンクが不恰好なので便器背部にカウンターを作り、その中にタンクを隠
すことの出来る特注品が作られていたこともありました。多くの機能が付属さ
れていますが、設計者の立場からするとタンクが無くなった事が最大の驚きで
す。エレベーターの機械室が無くなったように近い将来当たり前の便器になる
かも知れません。



松下電工:アラウーノ
http://national.jp/alauno/

TOTO:ネオレスト
http://www.toto.co.jp/products/toilet/t00016/index.htm

INAX:サティス
http://www.inax.co.jp/products/toiletroom/toilet/satis/





///// 02 住宅設計入門 //////

ここでは、一般の方を対象に毎回テーマを決めて建築設計に関するアドバイス
をさせていただきます。

第19回のテーマは「インテリアデザインの力」

住宅を設計するとき、多くの機能とデザインを平行して考え全体をまとめ挙げ
る努力をしますが、苦労して創った空間にそぐわない家具やカーテンなどが使
われているとイメージががらりと変ってしまうことがあります。どんなに設計
者が緻密な計算をしても、見事に空間デザインを転換させてしまう力がインテ
リアデザインにはあります。

インテリアデザインの力を上手く扱わないと、理想の空間を創ることは出来な
いといっても良いのではないでしょうか。住宅を設計するときに家具やカーテ
ン等まで全て新調される方は少ないと思いますので、今使っている家具等をど
の様に利用するか、何を加えるかよく考える必要があります。電化製品や飾り
たい絵画等も大きな影響があります。また建築家に依頼する場合はそのあたり
も相談されてから、設計を進めてもらった方が良いと思います。

ポジティブな考え方をすると、インテリアデザインの力を上手く利用すれば家
を建て直さなくても、色々な空間をデザインできると言えるかも知れません。
例えば和室の柱、鴨居、敷居、長押等空間構成部材を壁と同色に塗り、畳の上
にカーペットを敷いてリビングセットを置けば、普通より少し低い腰窓が特徴
的な洋室風の空間になります。ただ家具を置くだけだと滑稽になってしまいま
すが、少し工夫をすれば面白い空間を創ることが出来ます。その場凌ぎと批判
されることもあると思いますが、インテリアデザインは手軽に変更が可能なの
で状況にあった空間を設えることが可能です。住宅の建て直しを考えている場
合、インテリアデザインの力を上手く利用すれば寿命を延ばすことが出来るか
も知れません。



※誤記、修正のお知らせ

先週配信させていただいたメールマガジン(第018号)の記事、「住宅の中の
危険回避」において、「2.・・・竿の高さが問題になります。余り高い位置に
あると・・・」は「余り低い位置にあると・・・」の誤りです。大変申し訳ご
ざいませんでした。
通常足掛かりにならない位置まで高さを確保します。なるべく高いほうが良い
のですが、一般的には最低700程度確保する必要があります。また注意しなけ
ればならないのは、周囲に植木鉢などを置いた場合、それを台にして竿に足を
掛けられると、高さを確保している分手摺高との差がないので大変危険です。
出来れば小さなお子様がいるご家庭では、竿を上部に持ち上げるタイプの物干
し金物を利用するか、竿を抜くことをお勧めします。

また「4.アルミサッシには手挟み防止機能をつける。」において「高層マンシ
ョンでは耐風圧の関係でサッシの重量も重くなっている為力を入れて開け閉め
するので必ず必要になります。」と記載しましたが「・・・開け閉めするので
必要性が高くなります。」に修正させてください。実際のマンションの状況か
ら「必ず必要」は過剰な表現だと思います。重ね重ね申し訳ございませんでし
た。





///// 03 マンションの完成まで //////

マンション設計の依頼から竣工にいたる出来事を、設計事務所の立場から紹介
させていただきます。マンションはどうやってできるのか、どれだけの作業が
必要なのかご理解いただければ幸いです。


   No19 「工事監理-仕上工事(住戸部分)」

躯体工事が完了し、型枠を取り外すと仕上工事に入ります。仕上工事は多くの
作業が関係するので、工程をしっかり組まなければなりません。例えば電気配
線が完了していなければボードを貼ることは出来ません。また壁クロスが貼ら
れていないと、巾木が付けられなくなってしまいます。他の作業の出来が悪い
為、迷惑を受けることもあります。例えばコンクリートの壁にクロスを貼る場
合下地を調整しますが、下地調整する左官工事に問題があると、クロスをはが
して作業をやり直さなければなりません。作業ごとにお願いしている業者は違
うので、取りまとめる建設会社の現場所長は現場のチェックをしっかり行わな
ければなりません。

仕上工事は次々と色々な作業が関わってくるので、設計事務所はポイントを絞
って検査をします。型枠を外すとサッシを取り付け断熱材を吹付けますが、適
切に断熱材が吹付けられているか検査をします。特に下階が外部(駐車場等)
になっていたり、隣の住戸が後退したりしていて外気に接する部分がある場合
は注意が必要です。また断熱材の厚さは建物性能上重要なポイントになるので
検査用の鋲を刺して厚さを確認します。

住戸部分はパンフレットとの相違が発生しないように特に注意します。コンセ
ントの位置、照明の位置、天井高さ形状等はボードを貼る前後にチェックしま
す。施工図を作成する段階でチェックをしてありますが、単純な間違いや納ま
り寸法が予定より必要になる場合があり現場を確認することが必要です。修正
できるものは修正した上、どうしてもパンフレットと違ってしまう場合は施主
に報告します。それが施工誤差の範囲と認められる場合は問題がありませんが
、そうでない場合は施工方法から再検討します。いづれにしてもなるべく早く
間違いを発見して、完全に仕上てしまう前に修正することが大切です。

仕上工事部分に関して殆どの決定必要事項は図面上完了していますが、玄関床
の石の割付やオプションの対応についての指示を行います。現場のチェックに
関しては、仕上工事部分は修正必要ヶ所があったとしても対応しやすいし、工
事途中で指摘しても作業中に傷をつけてしまうことも多く、目に余るもの意外
は余り細かい部分を指摘することはありません。どちらかと言うと工程や図面
の読み違いによる誤った施工が無いかどうか確認することが重視されます。最
終的に竣工検査において、膨大な指摘事項が出てきますのでそれを綺麗に修正
してから入居者に見てもらうことになります。

仕上工事は工期の厳しさが、仕上がりの良し悪しにまともに影響します。最初
から厳しい工期を求められる場合もありますが常識的な工期がある場合、仕上
工事に至るまでしっかっりした現場管理が出来ていれば工程に余裕が生まれ、
仕上がりが綺麗になり手直しも少なくなります。工事全体の結果が最後に一番
目立つ部分に表れるのは象徴的です。


次回は内装工事(共用部分)を紹介させていただきます。





///// 04 師の言葉 /////

私が実際に接した建築家や書籍のなかで印象に残った言葉を紹介させていただ
きます。


    「瓦をやめてしまうのは本末転倒」

この言葉は阪神・淡路大震災(1995)が起きた2ヶ月後ぐらいに発行された、
建築専門誌に出ていた言葉です。住宅倒壊の検証がまとまり出した時期で、在
来工法以外のハウスメーカーが提供した住宅は殆ど倒壊せず、在来工法の瓦葺
屋根住宅に倒壊した建物が多かったという結果に対して書かれた文章です。

セメント(人工スレート)盤や鋼板葺きの屋根に比べて、瓦葺はどうしても建
物頭部に加重が掛かり建物に作用する地震力が大きくなります。一部のハウス
メーカーは瓦屋根を殆ど使用していなかったので、大地震時に強いことが実証
されました。その他の技術的な理由もあると思いますが、屋根の材料が耐震性
に大きな影響を与えたのは事実だと思います。だからといって世の中から瓦屋
根を無くそうと考えることは、間違いだということを著者は記しています。

多くの方が建物の下敷きになって亡くなり、誰もが安全な住宅を求めている時
期、屋根を軽くすれば倒壊住宅が減少し安全性が高まるという判断は非常に解
かりやすく、一部のハウスメーカーもその優位性を示す広告を出していました
。ただ危険性があるからといって、日本において1400年以上使用してきた建築
材料を否定してしまうことは建築文化そのものを否定することに繋がってしま
います。短絡的に一方向に答えを求めず、瓦を使っても耐震性が合理的に確保
できる方法を検証するべきです。それは多くの既存瓦屋根住宅の耐震補強推進
に繋がり、将来同様の不幸を防ぐことになると思います。

非常時に世の中の潮流は思わぬ方向に流れていってしまいます。そのような状
況の中、冷静な記事を書いた著者の判断に敬服しました。また自分が設計を進
めるとき、材料や工法の選択にあたり困難な状況だからといって簡単に切り捨
てることをせずに、創意工夫を重ねる大切さを教えられました。


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■コモンプレイス スタジオは建築士事務所です。

 住宅の設計依頼は勿論、設計事務所の敷居が高く感じているお客さまに対し
 てメニューを用意しています。

1.お客様が書いたスケッチから設計図を作ります。工務店に設計施工を任せて
 しまう場合図面があるとお客さまの意図が明確に伝わり、自分の理想に近い
 形で家創りが進められます。

2.工務店に全てを任せてしまうと工事が進むうちに不安になることや、疑問点
 が出てくると思います。そのような場合のアドバイスを行います。

3.マンション購入の際、フリープラン等のオプションがある場合に図面を作成
 し、お客様の理想に近い空間を作るお手伝いをします。

その他、誠心誠意をモットーに豊かな日常空間と建築文化の創造を目指してお
りますので是非ホームページをご覧ください。

                   http://www.commonplace.jp/
                     
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【発 行】コモンプレイス スタジオ   commonplace studio
【編 集】池澤 雅弘           masahiro ikezawa
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