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『これからの住宅設計』(ID:0000230971) 読者登録解除フォーム
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■ メールマガジン・
・・・・・・バックナンバー第031号

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  ・・・これからの住宅設計・・・      第031号(2008.01.15)

   建築設計者の立場から住宅を考えるヒントを提供します。
                published by commonplace studio
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「これからの住宅設計」は戸建住宅や集合住宅(マンション)またそれらの改
修等、生活空間を作ること全般を題材にして、設計者の視点から住宅の在り方
を、読者の方々と一緒に考えてゆくメールマガジンです。

建築設計、住宅設計に関わる話題を取り上げ、住宅設計者としての経験や理念
をお話することにより、家創りについて違った視線で考える機会を提供するこ
とを目指しています。

読者の方々が住宅を設計する過程に触れることにより、家創りについて何か新
しいことを発見していただければ幸いです。



                        コモンプレイス スタジオ
                          代表  池澤 雅弘




※バックナンバーは下記ホームページでも御覧いただけます。
 誤字等も含めて、記事の訂正が必要な場合は、ホームページ上で修正させて
 いただいています。

                      http://www.commonplace.jp/



■目次

 01 今週のコラム--------------「理想の場所とは」
 02 住宅設計入門--------------No.31 住宅の周辺環境
 03 建築材料めぐり------------No.05 畳
 


///// 01 今週のコラム //////


「理想の場所とは」

住宅を建てるのにどのような場所が理想か話題になることがあります。一般的
には便利で文化意識の高い地域が好まれ、そのような場所は土地の値段も高く
なります。しかし「理想の場所」は人それぞれ違うはずですし、長く住むこと
によってその場所に愛着が持てるようになることもあると思います。世間一般
の評価が自分の理想に繋がるかどうかよく考える必要があるのではないでしょ
うか。

正月に実家に帰り、久し振りに父が営んでいる鉄工所に行きました。その鉄工
所は実家から車で15分ぐらいの場所で、千葉県内の某市境付近の駅から離れた
水田地域にあります。子供の頃よく仕事場に連れて行かれ近くの山や小川で遊
んだことを思い出します。父はこの付近の農家に倉庫を建てたり、住宅の基礎
工事をすることを生業としています。鉄工所と書きましたが、もともとは農機
具を作る鍛冶屋であり、そこから建築関係に仕事を広めていったので本格的な
鉄骨加工業社ではなく細かい仕事を多くこなしています。

鉄工所の脇に長い坂道があり、そこを下ると水田が広がっています。周囲には
小山があり小川が流れ釣りも出来ます。農業用の車両が通過する為か道は綺麗
にアスファルトで舗装されていますが、有名な景勝地のように観光客訪れるわ
けではなく人や車は殆ど通りません。時間がゆっくり流れ、季節ごとの情景も
感じることが出来ます。日常の生活が不便だろうと思いましたが、最近は近く
にコンビニもあるし車で5分ほど走れば大きなスーパーもあるようです。千葉
県内にはどこにでもある風景ですが、東京に長く住むととても贅沢な環境に思
えます。この辺りに土地を買って家を建て、気に入った車を手に入れて生活す
るのも悪くないと考えてしまうこともあります。

私の阿佐谷の事務所の近くには中杉通りがあり、よく整備されたケヤキ並木が
続きます。ビルとビルに挟まれた道路に並ぶ樹木は都市のエネルギーを包み込
み奥行のある景観を生み出しています。自然樹木のボリュームは僅かでも効果
的です。但し都市と自然樹木を共存させるには整備が必要で、枝払いや落葉の
処理にかなりお金をかけています。税収が見込める大きな都市でなければ維持
できないのではないでしょうか。また歩いていけるところに和洋中好きな料理
を食べる場所があり、電車に乗れば10分で新宿についてしまいます。学校も近
くにあり子供が通学するには困りません。田舎ではなかなかクリアするのが難
しい条件です。

街の特色を決める要因の一つとして文化的、慣習的蓄積による地域ごとの特色
があります。旧城下町、旧門前町などはその特色が豊かで街に趣きがあり、特
徴的な風情を感じ取ることが出来ます。このような場所は昔から腕の良い職人
が集まって来ているので、洗練された伝統文化が育つ礎があると思います。

住めば都といいますが、それぞれどの場所にも利点がありその場所の環境が良
いか悪いか決定するのは自分自身ではないでしょうか。自然が豊かな場所、交
通が便利な場所等の条件をどう受止めるかは人それぞれ違うし、年齢を積重ね
るうちに違ってきます。理想の場所を捜し求めてそこに住む人もいれば、自分
が住むことになった場所の良いところを探す人もいると思います。何れにして
も長くその街に住み愛着がもてなくてはいけないことは確かでしょう。もし住
宅を建てる理想の場所を問われれば、「古い家が残り、子供が元気な場所なら
ば後は個人の好みできめること」と答えさせていただきます。世間の評価に惑
わされず、個人個人が必要としているものは何なのか良く考えることが大切だ
と思います。





///// 02 住宅設計入門 //////

ここでは、一般の方を対象に毎回テーマを決めて建築設計に関するアドバイス
をさせていただきます。

第31回のテーマは「住宅の周辺環境」

街を歩きながら住宅を観察していると、住宅そのものの機能や外観を重視する
ために計画敷地周辺から受ける影響を良く考えずに設計を進めてしまっている
状況を感じることがよくあります。住宅を設計する場合、当然周囲の環境を良
く考えながら設計を進めなければなりません。計画敷地内だけで完結するよう
な設計をしていると多くのリスクを伴うことになります。その結果思い描いて
いた機能や外観を得られないことになってしまいます。

敷地の周辺環境を考える上で大切なのは、今現在の状況だけを考えずに将来そ
の敷地の周辺がどのように変ってゆくか検討しなければなりません。具体的な
例を挙げると敷地の南側に広い駐車場があれば将来的にマンション等の高層建
築物が建てられる可能性が高いと思います。近くに計画道路があれば将来大き
な道路が出来て騒音に悩ませれることに成るかも知れません。雨水が溜まりや
すい土地に、道路レベルに近いレベルで住宅を建てれば将来大雨が振ったとき
浸水が予想できます。ハザードマップなどで確認しておく必要があります。将
来どうなるか解からない部分もあり、全てを悲観的に考えて設計を進めること
は良くないと思いますが、ある程度の配慮や対応方法を考えておいた方が良い
でしょう。

今現在の状況を把握して置くことも大切です。隣の住戸の窓の位置や建物の高
さ、前面道路の交通量の多さなどは確認して設計を進めるべきです。北側の居
室の正面に隣の住宅の窓がある場合、相手の主要居室(リビングルーム等)が
正面に来ますので、型ガラス(曇りガラス)等を使って視線を遮るようにしな
ければなりません。通風を確保することを考えるとガラスルーバー窓等の利用
をお勧めします。南側に隣の住宅の北側窓がある場合、こちら側の居室が主要
居室になりますが、後から住宅を建てる側からガラスを変えることを隣の住宅
に要望することは難しいので、敷地境界上に塀や生垣をつくり住宅内にブライ
ンドを用意する必要があります。

敷地が狭く、住宅が密集している場合や交通量の多い道路が近くにある場合、
主要な居室を地下に計画して、ドライエリアを設け採光と通風を確保する方法
が考えられます。周囲の状況から独立した落ち着いた環境を手に入れることが
出来ます。住宅の地下面積は住宅部分の延べ床面積の1/3を限度として容積算
定上の面積に算入しなくてよい法律があり、同じ敷地でも延べ面積が大きい住
宅を建てることが可能です。但し地下工事は建設費が多額になることを考慮し
なければなりません。

また、住宅密集地であっても2階のレベルであれば周辺の空間が開けているの
で、主要居室を2階に配置することによりある程度開放的な空間を手に入れる
ことが出来ます。

住宅を建てる場合その土地の特徴をよく掴み悪い条件に目をそむけず、むしろ
欠点を利点に変えるような積極的な姿勢が大切だと思います。





///// 03 建築材料めぐり //////

建物と建築材料の関係を考えながら、メーカーのホームページを通じてそれぞ
れの材料を紹介させていただきます。


   No05 「畳」

日本人であれば畳に特別な感情を持つ方は多いと思います。最近は和室のない
住宅も珍しくありませんが、和室が一部屋あると客間になったり、家事の作業
スペースとして利用できるので大変便利です。地方の住宅ではまだまだ和室中
心の間取りが多くあり、畳に関する基本知識を知ることは昔ながらの日本の住
宅を再認識することが出来、そこから新しいスタイルの住宅が生まれてくる可
能性もあると思います。

一般的に畳は藁で作られた心材にイグサで作った畳表を縫いこんでいます。私
の経験では高価な畳は硬めで足の裏側から緊張感が伝わります。安価のものは
少しふわふわしている感じです。最近ではインシュレーション畳といって木材
を細かく砕いたものを固めた板を心材にした厚さ1センチ程度の薄い畳がよく
使われています。床に段差がつかないので、分譲マンションでよく利用されま
す。コンクリートに敷く場合断熱性が必要とされますのでポリスチレンフォー
ムを組み合わせた畳もよく使われます。下記、畳アラカルトのページや全日本
畳事業協同組合のページには畳の基本知識が詳しく説明されていますので是非
御覧下さい。またウィキペディアの畳のページはとても要領よく畳について説
明されています。いんてりあ図鑑の畳のページは畳の断面の写真が解かりやす
く掲載されています。

デザイン性に目を向ければ5年ほど前から琉球畳がよく使われるようになりま
した。琉球畳は半間かける半間の正方形の畳で和畳に比べると目が細かい畳で
す。これを市松に敷くとモダンな和室になります。大矢製畳畳店のホームペー
ジにはいろいろな種類の琉球畳が紹介されています。

その他、三角畳店のホームページは畳のメンテナンスについて詳しく説明され
ています。小竹畳・ガラス店のホームページは価格表が掲載されていて購入時
の参考になると思います。松下電工の「畳が丘」は畳コーナー収納ユニットで
洋室の一寸したスペースに畳がある空間をつくることが出来ます。御参考にし
てみてください。


畳アラカルト   http://www.tatami-alacarte.com/

全日本畳事業共同組合  http://www.stannet.ne.jp/zentatami/index.html

ウィキペディア-畳  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%95%B3

いんてりあ図鑑(畳) http://www.icoffice.co.jp/zukan/z_tatami.htm#top

大矢製畳畳店   http://www5d.biglobe.ne.jp/~ooya-t/

三角畳店   http://www.sankakutatami.com/

小竹畳・ガラス店  http://www.eonet.ne.jp/~ktgs/tatami/kakaku.html

松下電工 畳が丘  http://national.jp/sumai/shuno/tatamigaoka/





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■コモンプレイス スタジオは建築士事務所です。

 住宅の設計依頼は勿論、設計事務所の敷居が高く感じているお客さまに対し
 てメニューを用意しています。

1.お客様が書いたスケッチから設計図を作ります。工務店に設計施工を任せて
 しまう場合図面があるとお客さまの意図が明確に伝わり、自分の理想に近い
 形で家創りが進められます。

2.工務店に全てを任せてしまうと工事が進むうちに不安になることや、疑問点
 が出てくると思います。そのような場合のアドバイスを行います。

3.マンション購入の際、フリープラン等のオプションがある場合に図面を作成
 し、お客様の理想に近い空間を作るお手伝いをします。

その他、誠心誠意をモットーに豊かな日常空間と建築文化の創造を目指してお
りますので是非ホームページをご覧ください。

                   http://www.commonplace.jp/
                     
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【発 行】コモンプレイス スタジオ     commonplace studio
【編 集】池澤 雅弘            masahiro ikezawa
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