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『これからの住宅設計』(ID:0000230971) 読者登録解除フォーム
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・・・・・・バックナンバー第036号

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  ・・・これからの住宅設計・・・      第036号(2008.05.31)

   建築設計者の立場から住宅を考えるヒントを提供します。
                published by commonplace studio

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「これからの住宅設計」は戸建住宅や集合住宅(マンション)またそれらの改
修等、生活空間を作ること全般を題材にして、設計者の視点から住宅の在り方
を、読者の方々と一緒に考えてゆくメールマガジンです。

建築設計、住宅設計に関わる話題を取り上げ、住宅設計者としての経験や理念
をお話することにより、家創りについて違った視線で考える機会を提供するこ
とを目指しています。

読者の方々が住宅を設計する過程に触れることにより、家創りについて何か新
しいことを発見していただければ幸いです。



                        コモンプレイス スタジオ
                          代表  池澤 雅弘




※バックナンバーは下記ホームページでも御覧いただけます。
 誤字等も含めて、記事の訂正が必要な場合は、ホームページ上で修正させて
 いただいています。

                      http://www.commonplace.jp/



■目次

 01 今週のコラム--------------「建築家と家を建てること」
 02 住宅設計入門--------------No.36 リビングアクセス
 03 建築材料めぐり------------No.10 壁紙
 


///// 01 今週のコラム //////


「建築家と家を建てること」

家を建てるとき、経済的な負担は当然ありますがそれ以外に多くの面倒なこと
があり疲れ果ててしまうという話を良く聞きます。施主(建主)が決めなくて
はならないことが多くそのことについて後悔がないようにいろいろ調べたり、
人に相談したりして計画が前に進むように決断していかなくてはなりません。
先ず土地を入手し無ければならないし、どんな家を建てたらよいか決めなけれ
ばならず、工事が始まったら細かい仕様や設備機器の色や照明の位置なども決
めなくてはなりません。

マンションや建売住宅に人気があるのは、こんな面倒なことのかなりの部分を
業者が担ってくれることが一番の理由のように思えます。しかも同じ材料を大
量に使用していたりするので費用も安く済む印象もあります。実際は広告費そ
の他、工事費用以外に費用がかかっているので単純には比較できませんが、多
くのノウハウを持っていて使い勝手の良い住宅を提供しているので、全く同じ
家を同じような金額でつくれと小さな建築士事務所や大工に頼んでもつくるこ
とは不可能でしょう。ただし、同じような面積の建物を同じような仕様でつく
るのであれば設計事務所に頼んだ方が安く出来ることもあると思います。

しかし建売住宅やハウスメーカーでは創ることの出来ない住宅は今でも存在し
ています。企業の決めたラインに乗ってこない形状や、特別な間取りは金額が
かかり対応できません。多くのマンションディベロッパーやハウスメーカーも
個性的なデザインを取り入れていますが、基本的には良質で大衆に受け入れら
れやすい住宅を提供して利益を上げているので、建て主個々の主観に対応する
のは不可能だと思います。

では建築家に依頼した場合はどうかというと簡単には行きそうもありません。
建築専門誌で見た建築が気に入り、その建築家の事務所に自分の描いた間取り
を持っていって、この通りの住宅を創ってくれといってもなかなか受け入れて
もらえないのが現実だと思います。作品で勝負している建築家は自分で納得し
たものでないと手を動かしません。殆ど施主の希望を聞かない人もいれば、か
なり詳しく聞いてから自分で計画案を考えて提示してくる建築家もいます。何
れにしても建築家にしっかり考えさせる部分が無ければ施主と建築家の関係は
上手く行かず良い家は完成しないと思います。その他にお金やスケジュールの
問題もあり、建築家と家をつくるのは大変だという結果を導き出してしまう方
も多いのではないしょうか。

私の経験から建築家と良い家を創り上げた施主が、どのように建築家と関わっ
ていたか考えてみると大きく二通りの施主が思い浮かびます。先ず自分が信頼
をおける建築家に全てを任してしまう施主です。その建築家の今までの作品や
仕事振りを信頼して、最低限の要望を出して後は何か相談されたときだけ答え
るようにします。その建築家が技術的にも優秀で相手の立場になって行動でき
る人物であれば、仕事はスムーズに進み思っていた以上の成果が得られ、自分
が想像していたものよりもずっといいものが出来たとよろこばられる施主が多
いようです。ただこの方法は建築家の選択で全てが決まってしまうのでその一
点にエネルギーを集中しなければなりせん。

もう一つの関わり方は徹底的に建築家に付き合うという方法です。施主自信が
住宅を創ることに夢を持ち、そのことを考えているとあっという間に時間が過
ぎてしまうぐらいの情熱を持っていれば、リスクを感じることも無く建築家と
徹底的に話し合いながら住宅を創ることが出来ると思います。ただ相手(建築
家)の意見を聞く気持ちが無ければ永遠に納得できる答えが見つからず計画は
中断してしまうことになるので、建築家の意見を尊重できる方でないと破綻し
てしまうことになりかねません。若手でこの先延びて行きそうな建築家は理想
を掲げ粘り強くものを創り上げるので、一緒に良いものを創って行くには良い
かも知れません。

自分の家を創りたくて建築家になったという人も多く、それだけ家創りの魅力
は果てしないものだと思います。どうやって家をつくるかは人それぞれだと思
いますが、経済的な尺度では測ることが出来ないのは確かです。






///// 02 住宅設計入門 //////

ここでは、一般の方を対象に毎回テーマを決めて建築設計に関するアドバイス
をさせていただきます。

第36回のテーマは「リビングアクセス」

リビングアクセスという言葉をご存知でしょうか。共同住宅などでは通常共用
廊下側に個室(洋室等)が来て、リビングルーム等の寛ぎのスペースはバルコ
ニー側に来るのが普通です。しかしこのような間取りが連なると、共用廊下側
は閉ざされた空間となってしまいます。そこで住棟内の良好なコミュニティを
意識して共用廊下側にリビングルームを設けて各戸の表情を積極的に表に出し
、居住者同士の交流を期待する間取りをリビングアクセスといいます。戸建住
宅でも玄関がリビングルームに直接繋がり、リビングルームを経由して各室に
行く間取りをリビングアクセスといっています。

リビングアクセス型の集合住宅は25年ほど前に何棟か造られましたが、今では
殆ど見られません。住棟全体としては活気が生まれ効果があったと思いますが
、プライバシーの問題やバルコニーを機能的に使えない等の問題で普及するこ
とは無かったようです。ただし戸建の住宅では今でも間取りを考える上の一つ
の有力な手法として健在しています。

住宅に於けるリビングアクセスの最大の利点は各個室に行くのに必ずリビング
ルームを経由することです。子供の出入りに気付き、コミュニケーションが取
りやすくなるのであえてこの間取りを選ばれる方が多いようです。また廊下と
リビングルームが兼用されているので、廊下の面積分を他の部屋に使うことが
出来合理的です。階段をリビングルームに面してつくり吹き抜けを設ければリ
ビングルーム自体の空間も豊かになります。一声かければ各室に声が届く一体
感ある住宅になってくるのではないでしょうか。

欠点としては、玄関に入ってきたお客に寛ぎの場をさらけ出すことになりやす
いことです。玄関先だけで用が済むお客に対しても一寸した緊張感が生まれま
す。また続き間のような間取りになることが多いので、各個室の独立性が確保
されない点も気になる部分です。何れにしても利点欠点諸刃の剣のような計画
になるのでよく検討される必要があると思います。

日本の住宅は昔から開放的で、玄関から身を乗り出せば家の中が伺えるような
住宅が多かったと思います。モダンリビングが普及して各室の独立性が保たれ
健康的で機能的な住宅が増えたと考えられますが、失ったものを考え直すこと
も必要な気がします。良くある間取りに物足りなさを感じる方はリビングアク
セスを取り入れてみても良いのではないでしょうか。






///// 03 建築材料めぐり //////

建物と建築材料の関係を考えながら、メーカーのホームページを通じてそれぞ
れの材料を紹介させていただきます。


   No10 「壁紙(壁クロス)」

現在の住宅では壁紙といっても実際に使われている材料はビニールクロスが殆
どです。その他、織物製や文字通り紙で出来たものもありますが、ビニールク
ロスは丈夫で汚れをふき取ることが出来、施工性も良い為に広く普及していま
す。最近はシックハウスや環境に配慮し、オレフィンシートと言って炭素と水
素の合成樹脂で出来たシートが普及してきました。

ビニールクロスであっても裏側は紙が張ってあるので水分を吸収します。その
ためカビが発生することもあり、特に多いのが結露水によるカビの発生です。
防カビ仕様の製品も普及しているので、結露が出やすい箇所の材料選択は誤ら
ないように注意しなければなりません。また丈夫ではありますが、引っかき傷
に弱く大きく傷つけば張り替えることになります。ペットを飼っている住宅で
はよく問題になりますので、引っかき傷に強いクロスも販売されています。こ
れを腰張り(床から40センチぐらい)にして、傷が目立ったらその部分だけ張
り替える方法もあります。

最近では空気清浄機能や抗菌仕様のクロスも販売されていて、デザインだけで
はなく多様な選択が可能です。それだけに間違いのない選択をするために色々
なことを考慮しなければならない部分もあるかもしれません。ショールームに
いって材料を実際に触れて、いろいろ相談されることをお勧めします。

材質にもよりますが、ビニールクロスの場合7年から10年が張替えの時期と言
われています。常に湿気のある部屋もあるので、使用している場所によってそ
の年月は大分違うと思われます。クロスを張り替える作業は簡単ではありませ
んが、張り替えると部屋の雰囲気が全然違うものになるので、空間に大きな影
響を与えている材料であることに気付かされます。


サンゲツ
http://www.sangetsu.co.jp/catalog/wall/index.html
デジタルブックでカタログを見ることが出来ます。多様な商品を開発していま
す。

トミタ
http://www.tominet.co.jp/product/wcav.html
デザイン性のある商品を沢山扱っています。

東リ
http://www.toli.co.jp/product_wall/index.html
環境を重視した商品を提供しています。

ルノン
http://www.runon.co.jp/
空気洗浄機能のあるクロスを紹介しています。

シンコール
http://www.sincogroup.co.jp/items/index_kabe.html
「いろあい1000」というカタログは参考になります。

リリカラ
http://www.lilycolor.co.jp/interior/products/index.html
自然素材を使った壁紙に特徴があります。

KAMISM(川島企画)
http://kamism.co.jp/index.html
和紙を用いた壁装飾材料を提供しています。多種多彩で参考になります。





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■コモンプレイス スタジオは建築士事務所です。

 住宅の設計依頼は勿論、設計事務所の敷居が高く感じているお客さまに対し
 てメニューを用意しています。

1.お客様が書いたスケッチから設計図を作ります。工務店に設計施工を任せて
 しまう場合図面があるとお客さまの意図が明確に伝わり、自分の理想に近い
 形で家創りが進められます。

2.工務店に全てを任せてしまうと工事が進むうちに不安になることや、疑問点
 が出てくると思います。そのような場合のアドバイスを行います。

3.マンション購入の際、フリープラン等のオプションがある場合に図面を作成
 し、お客様の理想に近い空間を作るお手伝いをします。

その他、誠心誠意をモットーに豊かな日常空間と建築文化の創造を目指してお
りますので是非ホームページをご覧ください。

                   http://www.commonplace.jp/

                     
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【発 行】コモンプレイス スタジオ     commonplace studio
【編 集】池澤 雅弘             masahiro ikezawa

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