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『これからの住宅設計』(ID:0000230971) 読者登録解除フォーム
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・・・・・・バックナンバー第047号

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  ・・・これからの住宅設計・・・      第047号(2009.09.01)

   建築設計者の立場から住宅を考えるヒントを提供します。
                published by commonplace studio

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「これからの住宅設計」は戸建住宅や集合住宅(マンション)またそれらの改
修等、生活空間を作ること全般を題材にして、設計者の視点から住宅の在り方
を読者の方々と一緒に考えてゆくメールマガジンです。

建築設計、住宅設計に関わる話題を取り上げ、住宅設計者としての経験や理念
をお話することにより、家創りについて違った視線で考える機会を提供するこ
とを目指しています。

読者の方々が住宅を設計する過程に触れることにより、家創りについて何か新
しいことを発見していただければ幸いです。



                        コモンプレイス スタジオ
                          代表  池澤 雅弘




※バックナンバーは下記ホームページでも御覧いただけます。
 誤字等も含めて、記事の訂正が必要な場合は、ホームページ上で修正させて
 いただいています。

                      http://www.commonplace.jp/



■目次

 01 コラム -----------------「その先の建築」
 02 住宅設計入門--------------No.47 敷地と道路の関係
 03 建築材料めぐり------------No.20 塗料
 


///// 01 コラム //////


「その先の建築」

いつの時代でも建築を創るとき、その時代の様式に強く影響を受けます。知ら
ず知らずの内というか、意識して時代の様式を拒否しない限り影響を受けてし
まうといった方が正しいかも知れません。ただ現在の様式に影響を受けつつも
20世紀一杯ぐらいまでは、次の時代を築き上げる建築を探りながら建物を創っ
ていた印象があります。しかし最近はプロジェクト個々に対応する「課題対処
型」の設計手法が中心となり、一部では建築は死んだという発言が聞こえるよ
うになりました。

建築の時代様式は主に技術的な進歩に伴って変わってきた傾向があると思いま
す。ドーム、バットレス、鉄筋コンクリート等の発見による技術の進歩によっ
て今まで造ることが出来なかった空間を創ることが可能になったとき、あるい
は建築によって可能な表現の巾が広がったとき、それまで存在しなかった建築
が登場し新たな様式を生み出すきっかけになったはずです。またその時代を操
る権力者の思想によって文化に対する大きな方向性の変化が起こり、新しい様
式が生まれたこともあると思います。

近代以降、建築の主役が一部の権力者の創る建築や宗教建築から一般大衆が創
る建築に推移したことにより、建築の様式を決める要因が人々の日常生活や経
済に変わってきました。そして19世紀半ばから現在に至る建築はモダニズム建
築と呼ばれる様式に分類されます。誰もが知っている公共建築等のみではなく
、住宅建築の中にも歴史的な評価を得る建築は存在します。特に戦後50年間ぐ
らいは建築家の創意工夫によって世の中が大きく変化した時代であったと思い
ます。夢のある時代であり、建築家の描いたプランが多くの社会現象を生み出
しました。一例を挙げれば東孝光さんの「塔の家」は究極の狭小住宅を生み出
すことにより、都会で生活する自由や可能性を発露させました。自分の描いた
線が世の中を変えている手ごたえを感じとった建築家も多いと思います。

しかし、現在は人々の心を根底から捕らえる作品を創ることは大変難しいこと
だと思います。プリミティブな問題は解決しつくされたことを感じます。先に
「課題対処型」の設計手法と書きましたが、現在の設計は与えられた課題をど
う解決するかが設計の評価を決める時代です。その課題はごく個人的なもので
あったり、企業が営業のために必要なものであったりする事が多く、それに見
事に答えられる建築家はとても高い評価を得ることが出来ます。私も個人的に
「旨いな」と感心させられることが良くあります。ただそれは一回性の解決と
なることが多く、新たな様式を生み出すものではありません。銀座の商業ビル
を見ても北京オリンピックの施設を見ても傑作だとは思いますが、建物単体を
見ている限りでは「その先の建築」を感じることは出来ません。

では「その先の建築」を感じるにはどうすればよいのでしょうか。一番わかり
やすい方法は一人の優秀な建築家の足跡を追いかけることだと思います。その
建築家が多くの「課題対処型」の建築を創っているのであれば、その作品の中
の共通している部分から新しい文脈を感じ取ることだと思います。それは課題
を解決する過程から生まれた思想であり、冒されざる精神の表現であるはずで
す。きっとその精神が新しい時代の枝葉になり「その先の建築」を生み出すこ
とにつながると思います。課題に妥協無く果敢に立ち向かう勇気を見失わない
ことの大切さを教えてくれます。








///// 02 住宅設計入門 //////

ここでは、一般の方を対象に毎回テーマを決めて建築設計に関するアドバイス
をさせていただきます。

第47回のテーマは「敷地と道路の関係」

今回も前回に引き続き法規に関係する話題を取り上げさせていただきます。そ
の土地にどのような建物が建つかどうかを検討する際に最も重要になるのが敷
地と道路の関係です。道路に関る法律はとても多く、かつ重要です。建物の形
態制限(道路斜線)、容積率、敷地境界位置制限等の規制を受けることになり
ます。また日影規制や北側(高度)斜線のように敷地が道路に接していること
により緩和される法規もあります。

まず基本的に敷地に道路が2メートル以上接していなければ建物を建てること
は出来ません。他人の家の庭を通って自分の家に行く訳にはいかないので理屈
はご理解いただけると思いますが、奥行きのある敷地で両親の家の庭に後から
子供の家を建てる場合などよく問題になります。建築基準法には一敷地一建物
の原則がありますので敷地を分割しなければ家を建てることは出来ません。
(一団地認定等の例外措置はあります。)手前の子供の家が道路に接する場合
その奥にある両親の家は敷地と道路を結ぶために2メートル以上の通路を設け
るように敷地分割をしなければならなくなります。

また建築基準法上の道路幅員は基本的に4メートル以上と定められており、4メ
ートルに満たない道路はみなし道路(42条2項道路)となり、将来その道路に
接する敷地に建物を建てるときに敷地の一部を道路とし幅員を広げる必要が出
てきます。例えば幅員3メートルの道路であれば道路両側へ中心振り分けにな
るので50cm敷地境界が移動することになります。注意が必要なのは特定行政庁
で認められた道路はまれに最低幅員6メートルとしている場合があります。ま
た片側が崖地や川などの場合、一方的に自分の敷地側に道路を広げなくてはな
らなくなります。この辺りの役所へのヒヤリングは大変重要になります。

容積率は各用途地域で決まった数値が定められておりますが、それとは別に住
居系の用途地域では前面道路幅員掛ける0.4以下、それ以外の用途地域では前
面道路幅員掛ける0.6以下という基準が定められています。容積率200%の第一
種低層住居専用地域であっても前面道路幅員が4メートルであれば、4掛ける
0.4=1.6(160%)の容積しか認められなくなります。

道路斜線制限とは、建物の部分から前面道路の反対側の境界線までの距離に
1.25または1.5を掛けた数値の高さをこえてその建物の部分を建築してはなら
ないという法律で、言葉にするととても解りにくいのですが、断面的に規制範
囲が勾配1.25または1.5の斜線になるので道路斜線といわれています。マンシ
ョンなどで道路に面する部分が上階に行くに従ってセットバックしているのは
道路斜線制限(または日影規制)の影響です。同様な規制で隣地斜線と北側
(高度)斜線がありますが、北側(高度)斜線では北側に道路がある場合、計
画敷地の反対側の道路境界から制限が発生しますから距離が長くなり緩和にな
ります。

ここでは全ての規制について取り上げることは出来ませんが、道路と敷地の関
係をしっかり調べることはとても重要です。そしてその土地にどのような家を
建てたいか、将来どのような形で土地を使用したいかなど想定の上で道路と敷
地の関係を考える必要があります。








///// 03 建築材料めぐり //////

建物と建築材料の関係を考えながら、メーカーのホームページを通じてそれぞ
れの材料を紹介させていただきます。


   No20 「塗料」

建築用の塗料は多くの性能が必要とされ、また下地の材種によって使用出来る
ものと出来ないものが存在します。必要とされる性能は耐久性、対磨耗性、耐
水性、耐薬性、経済性等で下地の種類としては一般に金属、木質、無機質(コ
ンクリート等)に大きく分類しています。性能の良い塗料を使ったとしても下
地となる材料に合っていなければ、ハゲ落ちたり下地を冒してしまうことがあ
ります。例えばエポキシ樹脂系塗料やフッ素樹脂系塗料は耐久性能が高いので
すが木質下地には使用することは出来ません。各塗料の性能については下記の
ホームページを参照してください

一般に塗料といえばペンキ類を指しますが、下地に使われるプライマーやシー
ラーも重要な塗料です。プライマーはさび止めとして金属下地に使われます。
シーラーは非金属材料に使われ下地材の吸い込みを抑えます。また吹き付タイ
ル等の表面模様を構成する材料は中塗材といわれ意匠的な効果のみでなく、耐
久性を高め素材の保護性能を強化しています。

木質系の塗料として特筆される材料は木目を綺麗に見せることが出来る塗膜不
形成塗装があります。塗料が下地に染み込んで木目が浮き上がります。代表的
な材料はオイルステイン(油性染料)ピグメントステイン(着色顔料)があり
ます。またクリアラッカーやウレタンクリアは木目の美しさを引き出し艶を加
えます。よくオイルステインと一緒に使用されます。

塗料によって建物の姿は大きく変化します。その上下地材を保護する性能も求
められ外観的にも内装的にも大変重要な材料です。しかしメンテナンスを怠る
と色が抜けたり下地保護の性能を満たさなくなりますので、材料の選択はメン
テナンスの頻度によって耐久性のある材料を選択するといった将来を見越した
計画が望まれます。



日本ペイント
http://www.nipponpaint.co.jp/
日本を代表する塗料メーカーです。解りやすく建築塗料を紹介しています。

関西ペイント
http://www.kansai.co.jp/
日本ペイントと両翼をなす塗料メーカーです。

トウペ
http://www.tohpe.info/index.html
カタログや仕様書が見やすくなっています。プロ仕様のページだと思います。

大日本塗料
http://www.dnt.co.jp/
建築設計のための塗料選択の手引きは参考になります。

キシラデコール:日本エンバイロケミカルズ
http://www.xyladecor.jp/pro/index.php
屋外用防腐坊カビ防虫ステインの代表的材料です。












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■コモンプレイス スタジオは建築士事務所です。

 事務所を移動しました。小さな事務所ですが打合せスペースを設けましたの
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 ご依頼主との対話を重視し、アイディアを提供し着実に理想の家創りを進め
 て行きます。

 誠心誠意をモットーに豊かな日常空間と建築文化の創造を目指しております
 ので是非ホームページをご覧ください。

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【発 行】コモンプレイス スタジオ          commonplace studio
【編 集】池澤 雅弘                  masahiro ikezawa

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